失恋論
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定価 : ¥ 1,785
販売元 : 角川学芸出版
発売日 : 2006-03 |
価格:¥ 1,785
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タイトルで客を引く、という最近の本の売り方を踏襲しています。中身は、単なる筆者の失恋話。
40過ぎて、若い女にちょっと本気になって、でも相手にされなくて・・・という、よくあるバカバカしい話ですが、なんだか読んでると
ちょっと筆者がかわいくなってくるのも事実です(苦笑)
かっこわるいところや情けないところって、たしかに人間の本来の
姿なんですよね。そこはむしろ評価して、星は2つにしておきました。
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学生時代「宮崎駿の“世界”」を愛読していた私にとって、かなりの衝撃でした。
一応「論書」という形式ではあるものの、その主軸を成すのは、切通氏の失恋話。
40代男性の片思いが、切々と語られているのです。
なんかこそばゆい! でも愛しい!
ふられた後の彼女に対する悪口雑言や、送れなかったメールの文章には、思わず悶絶! 切なすぎます!
イライラするほどの女々しさが、逆に男らしくてかっこよかったりするのです。
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小谷野敦さんの批判を読んでまず第一に、自分が自分の身近な人を傷つけて、なにが「恋」か、ということをあらためて反省させられました。
それはまず自分の至らなさですが、社会における「恋愛至上主義」に影響され、好きな相手を「ゲットする」ことが自己目的化してしまったきらいもあるのだと思います。
本にも書いたとおり、40近くなってからのあの失恋は、そんな自分が、もう「この歳までに交際を」「この歳までにキスを」「この歳までに童貞喪失を」「この歳までに結婚を」などという呪縛から放たれ、むしろもう恋なんかしなくても誰からも非難されないどころかしない方がいい、という状況の自分に到来したからこそ、とても輝いてみえてしまったのだと思います。
そこを書きたかったし、小谷野さんにもわかってほしかった――というのは甘えでしょうか。世間から見れば、小谷野さんは東大を出ている学者さんで社会的地位もある。そんな人が「もてない」ということはあり得るのだろうかという声もありますよね。モテなくても社会的地位があるからいいじゃないか、とやっかむ人もいると思います。
でも僕は、無名大学を出て、己の努力の足りなさがまずあって今後の社会的地位も保証されているわけではないけれど、自分よりも優れていると思える人でも、自分自身を「モテない」と思うことは充分にありうるし、それは社会的にも考えるべき問題だ、と思ってきました。
だから逆に、いまは結婚されていない小谷野さんが、結婚したままの僕の失恋に対しても理解するべきだ――とまでは言いませんけれど。
ただ、小谷野さんのかつて書かれた「華やかな夢のあとでは、一夫一婦制はあまりにみすぼらしい。しかし、そのみすぼらしさを選び取ることも、勇気ある選択ではないだろうか」(「男であることの困難」より)という言葉に励まされて最後まで書くことができたことを、言い添えさせていただきます。
なお評価の☆は自分自身の本であるし、パスしたかったのですが、それを入力しないと書き込むこと自体できないので、自分で目一杯やってないものを世に出すことはおかしい、という意味で、恥多き本ですがあえて五つとさせていただきました。
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もしこの世に、私のまだ見ぬ夫がいるのであれば、その人には私と出会う前に、大失恋の一つと小失恋の二つくらいは経験しておいてほしい。人の痛みを知れ、なんて単純なことではなく。妻というのは大変な任務のようです。“檀一雄”級の夫であれば、こちらも受けて立ちましょ、となるかもしれませんが。
結婚したら恋するなとは言いません。出会いもそんな気持ちも、突然ふってくるものですから。でも、いったい作者は、どうしたかったんだろう?というのが率直な感想です。
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切通さんのことだから一般的な話を述べるものではないだろうと予想していましたが、まさかここまで全体重を乗せて自分のことを語る本だとは。
まるでわがことのような体験から省察が進められるのですが、それがきちんと「論」なのです。
また本書では切通さんが古今東西の小説や映画を「失恋図書館」として紹介するコーナーがあります。
その1本1本が興味深いのですが、とりわけシャーリーズ・セロンとクリスティーナ・リッチが出演していた映画『モンスター』の話には感じ入ってしまいました。
私個人はこの映画から好き嫌いでは割り切れないゴリゴリした感触を受け取ったのですが、「失恋論」的視点で見ればこういう見方もできるのかと考えさせられました。